若かりし頃は
個人ショップで服を購入することが多かったんですが
買おうかどうか悩んでいる背中を
おもくそ押してくる
店員さんの必殺の言葉がありました。
「一つ持っていて損はないですよ」
いわゆる
「殺し文句」というやつで
ウェディングプランナーさんが言う
「一生に一度の晴れ舞台ですよ!」とか
葬儀屋さんが言う
「最後の親孝行ですよ!」とか
各接客業が、満を持して出してくる
迷えるお客様を撃ち抜く「魔法の言葉」。
ちなみに
「コレけっこう人気ですよ!」という言葉は
「 コレけっこう人と被りまくりますよ!」
とヒネくれ変換して聞こえるので
僕には一切効きません。
福井の整体院
「からだ整え処 癒庵」院長の近間です。
今回のテーマは「言葉」
冒頭で出たような
セールストークとしての「魔法の言葉」
とはちょっと違いますが
治療院業界では
これを言っておけばOK的な
お客さんを納得させる「便利な言葉」
みたいなものが存在します。
代表的なものとしては
「ストレス」があります。
「ストレスですね~」と言っておけば
まあハズレはしません。
全くストレスフリーな人なんて
ほぼいないんですから。
あとは勝手に
心当たりを自己検索して
「あ~最近ストレス溜まってるかも」
と納得してくれる「便利な言葉」です。
全部が全部じゃないですけどね。
(と念のため付けておきます。)
で、ここからが本題です。
もっと範囲を絞って
整体やカイロプラクティックで
よく使われる言葉があります。
「歪んでいるからです」
「自然治癒力を高めます」
あと
「◯◯が痛むのは◯◯をかばってるからです」
とかもありますね。
行かれたことのある方はけっこうな確率で
聞いたことがあるんじゃないでしょうか。
確かにこれは、広い意味で言えば
間違ってはいません。
ただ、この言葉は
施術者の「知識の有無」を関係なしに
使える言葉なんですね。
どういう歪みの仕組みかわかっていなくても
「歪んでますね」とだけ言えば
お客さんは自分の歪みなんてわからないから
「そうですか」と納得せざるをえないし
術者がその施術の意味を理解していなくても
さらには、技術がおぼつかなくても
「自然治癒力を高めます」とだけ言えば
自然治癒力なんて確認しようがないんで
「そうですか」と納得せざるをえません。
ちょっと悪い言い方でまとめると
「歪んでいるからです」
「自然治癒力を高めます」
特にこの二つは、体の不調の訴えに対して
もしくは、施術効果の説明として
たとえ施術者に知識が無くても
これだけを言っておけば
「まかり通せてしまえる言葉」だと言うこと。
もちろん
この言葉を使う = ダメ
という意味ではないですよ。
そこにプラスでちゃんと
「歪んでいる」という、その仕組みや
理論的な効果の説明があるのかどうか。
質問をしたならば
ちゃんと納得できる説明があるのかどうか。
ということです。
整体もカイロプラクティックも
1回の施術料は決して安いものではありません。
何度も通っているところなら尚更で
せっかくお金を払っている以上
体や施術に対して気になったことは
どんどん質問してみましょう。
もし、それで納得できる説明がなかったり
なにやらボヤっとはぐらかされたり
面倒くさがられたりするのであれば
「魔法の言葉」に流されず
ちょっと一回考えてみましょう。
以上、今回はちょっと厳しめの
治療院業界の裏地事情の話でした。
参考にして頂ければ幸いです。