「魔女の一撃」
ドイツではギックリ腰のことをこう呼ぶそうです。
さすがヨーロッパ、オシャレ。
ただ、「一撃」という表現なら
ドラクエ的に言うと
フランケンシュタイン(たぶん戦士)や
狼男(たぶん武闘家)
のほうが合うと思うんです。
魔女って、どう考えても
「魔法使い」じゃないですか。
福井の整体院
「からだ整え処 癒庵」院長の近間です。
魔女の一撃
皆さん受けたことありますか?
「ギックリ腰」になってしまうと
それはもう悲惨で何もできません。
歩くことも、顔を洗うことも、頭を洗うことも
トイレすらままなりません。
もちろん仕事なんて行けないし
家事もできない。
そればかりか初体験の人は
「治らなかったらどうしよう」
なんて不安がよぎって、精神的にもよくない。
そんな状態が3日間くらい続きます。
当院でも1年に2回くらい
「ギックリ腰は治せますか?」
というご相談を頂きます。
というわけで
今回は「ギックリ腰」の話です。
「ギックリ腰」を簡単に説明すると
筋肉が折れた状態です。
骨が折れる「骨折」はわかるけど
「筋肉が折れる」ってあまり聞かないと思いますが
わかりやすいイメージで言うと
子供が大好きな
チューチューという棒型アイス。
そのままでは
液体のジュースと柔らかいフィルムだけど
凍らせることでポキっと折って
アイスとして食べることができますよね。
あれと同じ理屈で
本来、弾力性に富むはずの筋肉が固まって
長年かけて
固まって固まって固まって
そしてある時
その固まりで耐えきれない負荷がかかってしまった時に
ボキッと折れてしまうんですね。
折れる。
つまり、筋肉が損傷してしまった状態です。
だから一旦ギックリ腰になってしまったら
筋肉が修復するまではどうにもできなくて
ただひたすらチンと
安静にするしかありません。
その修復にかかる時間が、早くて3日間。
ヘタに痛み止めを打って動こうものなら
無駄に修復期間が伸びるだけです。
で、以上を踏まえた上で
本題の「ギックリ腰は治せるか」ですが
上記のとおり
ギックリ腰は「外傷」ですから
整体が出しゃばれるトコロは
「筋肉が修復した後」
もしくは
「ギックリ腰になる前」で
目的は、固まった筋肉を緩めること。
これに尽きます。
結局のところ
体を治すのは本人の「治癒力」です。
整体ではないし、薬でもないし
手術でもありません。
だから結論としては
整体は「ギックリ腰そのもの」は
治せないんです。
あくまでもギックリ腰に
「ならないようにするためのケア」
であって、治療ではないんですね。
もう一度言います。
ギックリ腰は「外傷」です。
なので
整体によって完治させることなんて
普通に考えるとありえません。
それができるなら
同じ外傷の「切り傷」や「打撲」なども
整体でその場で治せる!
と言ってるのと同じことですから。
急性的なものなのか
慢性的なものなのか
治療なのか
ケアなのか
このラインを間違えると
施術者は盲目的になりがちですし
それを信じる人もまた
施術者に対して妄信的になりかねないので
注意が必要です。
もし、それでももし
「魔女の一撃」を一発で治せる!
と言う人がいたとしたら
きっと、その人こそが「魔法使い」かも。
< 追記 >
筋肉の緊張がピークに達すると
ギックリ腰に似たような症状になることもありますが
それは、「もうこれ以上負荷をかけないで!」
という体が発するギリギリのサインです。
これは筋肉を緩めることによって、1回で改善できたりします。
まだ損傷ではないからです。