ぶろぐ

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幼い頃、寝る前にたまに揉んでくれる
父のマッサージが好きでした。

 

それは決して専門的な手法とかではなく
ちょっと強めで痛めの素人マッサージ。

 

ヒーヒー言って体をよじらせながらも
どこか気持ちよく

 

肩こりも腰痛も知らない子供が
疲れている父に、たびたび催促していました。

 

自分が成長するとともに
逆に父を揉んであげるようになりました。

 

同じく知識も何もない素人揉みでしたが

 

今まで揉んでもらっていた時の
感覚が染み付いているせいか

 

なんとなく
効く場所・気持ちいい場所がわかりました。

 

受けている父の感覚が
自分のことのようにわかりました。

 

20代前半、職をいくつか変わりました。

 

やりたいことも何もない自分に
途方にくれていた時

 

コンビニで買った求人雑誌で
「マッサージスタッフ募集」の求人が目に入りました。

 

今でいう
リラクゼーション系のマッサージ院です。

 

どうせ今、特別やりたいこともないなら
専門的な知識を身につけて
ちゃんとした技術で父を揉んであげよう。

 

こんな些細な思いが始まりでした。

 

福井の整体院
『からだ整え処 癒庵』院長の近間です。

 

先週、そんな父が他界しました。

 

整体師という
仕事をするキッカケになったのも

 

開業してから18年
こうして営業を続けてこれたのも

 

父の存在あってこそでした。

 

テナントで営業をしていた時の
店前の柵や、外看板の土台、施術場の枠組み

 

今も使っている衝立などは
父が日曜大工で作ってくれました。

 

少しでも恩を返せればと
家庭をもち、家を出て以降も
父をマッサージしに実家に帰っていたけど

 

育児や仕事が忙しくなるにつれ
その頻度は減っていました。

 

もっと頻繁にマッサージをしに
帰ってあげれたんじゃないか。

 

マッサージも自分の疲れを理由に
少し手を抜いてしまってたんじゃないか。

 

しょうもない後悔ばかりが募っていきます。

 

その後悔の大きさに比例して
感謝もさらに大きくなっていく。

 

でももうこの感謝は
直接父に伝えることはできないので

 

父が支えてくれた
この「癒庵」という整体院を

 

もっともっとより良い整体院にして
お客様に必要とされていくことが

 

これからの感謝の形となっていきます。

 

父はきっとこれまでのように暖かく
きっとこれまでのように口やかましく

 

見守っていてくれてると思いますので。

 

 

 

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